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‘やきもの用語解説’

青花[せいか]

青華。染付けのことを中国やベトナムではこう呼ぶ。

素焼き[すやき]

成形し、乾燥させた素地を低火度で焼くこと。水分を除き、強度を高める。

錫釉[すずゆう]

錫を含んだ釉薬。焼き上がりは白く不透明になる。錫白釉とも。

透かし彫り[すかしぼり]

成形したあと、レースのように模様を彫りぬく優美な装飾法。

須恵器[すえき]

古墳時代から平安時代にかけて日本各地で作られていたやきもの。無紬、還元焔で焼成され、硬質。色は灰色に近い

水簸[すいひ]

土を水に入れて攪拌し、砂利や粗粒を取り除いた後、沈殿させて細かい粘土分だけ取り出すこと。

辰砂[しんしゃ]

銅を含む釉薬を還元焔で焼成することによって、朱紅色に発色させたもの。

焼成[しょうせい]

陶磁器を窯に入れて焼くこと。素地を固め、釉薬を溶かす。

朱泥[しゅでい]

鉄分の多い士を酸化焔焼成して作る、赤褐色の焼締め陶。
使えば使うほど表面につやが出る。

磁土[じど]

粒子が細かく、珪酸分が多いのでガラス化が進む良質の粘土。磁器の原料となる。

自然釉[しぜんゆう]

焼成中に灰が降りかかり、素地の成分と反応して表面にガラス化が起こり、自然に釉薬をかけたような状態になること。

磁器[じき]

磁土と陶石を主原料とするやきもの。基本的に素地は白色でわずかに透光性がある。
陶器よりも硬く、吸水性はない。紬薬をかけることが多い。

地色[じいろ]

釉薬や化粧土をほどこしていない状態でのやきものの表面(素地)の色

酸化焔[さんかえん]

空気を十分に送って焼成するとき、盛んにあがる焔のこと。酸素が多いのでやきものの粘土中の鉄分が酸化し、赤・茶色系の発色となる。

銹絵[さびえ]

「鉄絵」のことを、京焼ではこう呼ぶ。

猿投窯[さなげよう]

名古屋市東部の丘陵地、猿投山西南麓に分布する日本最大の古窯跡群。
須恵器と灰釉陶器が焼かれていた。

彩陶[さいとう]

中国で新石器時代から作られた土器。
素焼きの肌に赤・黒・白などの顔料で文様を描く。

御用品[ごようひん]

皇族・貴族・将軍家 大名家などが使用するために作られるもの

御用窯[ごようがま]

江戸時代に藩主が保護し、藩主の日用や贈答用のやきものを作らせた窯

粉引[こひき]

高麗茶碗に使われる技法の1種で、化粧土を塗った上から透明釉をかけて焼いたもの。白い粉が積もったように見える。

コバルト

灰白色の金属(Co)。
やきものの絵具としても使われ、青色(藍色)に発色する。

呉須赤絵[こすあかえ]

中国で明代後期に作られた赤絵。呉須を基調に、多彩な色絵をほどこす

呉須[こす]

酸化コバルトを含んだ顔料。顔料全体のことを指す場合もある。粗い白磁に呉須で
上絵付けをほどこしたものを呉須青絵という。

五彩[ごさい]

白磁に多彩な色を使った上絵付けをほどこす技術、またはその器。
日本でいう「色絵」。

刻文[ごくもん]

生素地にクギや櫛などを使ってほどこした文様。

香炉[こうろ]

お香を焚くための仏具だが、茶道や香道の世界でも使われている

高麗茶碗[こうらいぢゃわん]

李氏朝鮮で焼かれて日本に輸入された茶碗。十六世紀末に茶の湯の世界に登場し、もてはやされた。

交趾[こうち]

中国で十七世紀に作られた低火度焼成の軟陶。またはそれを模したやきもの。
黄・緑・紫を中心にした鮮やかな彩色の絵付けが特徴。

高台[こうだい]

茶碗や皿などの底についている台。糸底とも。器の見どころの一つ。

硬質磁器[こうしつじき]

高級食器などに用いられる硬度の高い磁器。硬磁器とも。

口縁[こうえん]

ふたのない器の、一番上の縁の部分。

古伊万里[こいまり]

江戸時代に有田地方で焼かれた磁器。

蹴ろくろ[けろくろ]

足で蹴って回転させるろくろのこと。蹴車ともいう。

結晶化[けっしょうか]

原子が規則正しく配列して固まること。

化粧土[けしょうつち]

化粧がけに使われる陶土のこと。まれに有色のものも使われる。

化粧がけ[けしょうがけ]

白く見せるために白泥を薄く塗ったりかけたりすること。

景徳鎮窯[けいとくちんよう]

中国南部・江西省の東北部にある、国内最大の窯場。九世紀から始まるとされ、明・清時代には宮廷御用達の官窯としても栄えた。青花(染付け)・粉彩など華麗な装飾技法を次々に開発した。

珪石[けいせき]

石英を主成分とする岩石。やきものをつくるのに必要な珪酸の原料として広く使われている。

珪砂[けいしゃ]

珪酸が結晶化してできる石英が砂状になったもの
陶磁器の主原料となる

珪酸塩鉱物[けいさんえんこうぶつ]

珪酸とアルカリ成分が化合してできる鉱物の総称。

珪酸[けいさん]

粘土に含まれる、珪素・酸素・水素の化合物。天然のガラスで高温により熔解する(ガラス化)。

櫛目[くしめ]

櫛状の道具で引っかいて描く文様。

金欄手[きんらんで]

色絵の上から金彩を加える装飾法のなかでも、とくに絢燗豪華なもの。銀彩を加える場合は銀欄手。

金彩[きんさい]

金で上絵付けをほどこす装飾法。銀でほどこす場合は銀彩と呼ばれる。

幾何学模様[きかがくもよう]

多角形や円の組み合わせからなる連続模様。

かんな[かんな]

高台などを削るときに使う道具。鉄製のものが一般的

貫入[かんにゅう]

素地と粕薬の収縮率の違いから、器の表面にできたひび割れのこと。
器を長く使っているうち、茶や酒などがこの貫入を通ってしみこみ、そのため器の色合いが変化し、味わいが増す。

還元焔[かんげんえん]

窯の空気を制限していぶし焼きにすると、やきものの材料の中の酸化金属が酸素を奪われて還元する。
そのときに生じる焔を還元焔という。
青磁に代表される、青・黒系のやきものに焼き上がる。

河井寛次郎[かわいかんじろう1890~1966]

京都を中心に活躍した陶芸家。民芸運動の中心的人物。

唐物[からもの]

日本製の茶道具(和物)に対して、中国製のものをいう。